痛みの有無だけで、抜歯が必要かは決まりません
親知らずは、永久歯のいちばん奥にある第三大臼歯です。生まれつきない方もいれば、歯ぐきや骨に埋まっている方もいます。まっすぐ生えて噛み合い、十分に清掃できている歯と、一部だけ見えて汚れがたまりやすい歯では、必要な対応が異なります。むし歯や歯周病、手前の歯への影響も含めて診察します。
親知らずの周囲に炎症が起こると、歯ぐきの腫れや痛みを繰り返すことがあります。鎮痛薬で症状が治まっても、原因がなくなったとは限りません。いつ腫れたか、発熱や口の開けにくさがあったかを伝えてください。痛む場所が親知らずでも、手前の歯など別の部位が原因の場合があります。
頬や顎の下まで腫れが広がる、飲み込みにくい、息苦しいといった場合は、予約日を待たず早急に医療機関へ相談してください。自分で膿を押し出したり、器具で歯ぐきを触ったりすることは避けましょう。
画像検査で、歯の根と神経・上顎洞の位置を確認します
口の中の診察に加え、必要に応じてエックス線検査を行います。下顎では歯根と神経の通り道、上顎では歯根と上顎洞の位置関係が重要です。通常の画像では十分に分からず、治療の判断に役立つ場合にはCTを検討します。すべての方に同じ検査が必要なわけではありません。
抜歯の方法や所要時間は、歯の傾き、根の形、埋まっている深さ、炎症、体調などで変わります。歯ぐきを開いたり歯を分割したりする処置が必要な場合や、口腔外科への紹介が適している場合もあります。紹介先ではあらためて診察や検査を行うため、初診日に手術を受けるとは限りません。
服用薬、アレルギー、妊娠の可能性、過去の麻酔や抜歯で困った経験も伝えましょう。神経への影響などのリスクについては、ご自身の画像と処置方法に沿った説明を受け、症状が出た場合の連絡先も確認してください。
抜く場合と残す場合の利点・注意点を比較します
炎症を繰り返す、むし歯の治療が難しい、手前の歯に悪影響がある場合などは、抜歯を検討します。一方、病的な変化がなく清掃できていれば、経過観察を選ぶこともあります。抜歯後には痛み、腫れ、出血、口の開けにくさが生じることがあり、位置によっては感覚に影響するリスクもあります。残すことの不利益と、処置に伴う負担の両方を確認しましょう。
経過観察を選んだ場合も、磨き方や受診間隔を相談し、親知らずと手前の歯の状態を定期的に確認します。痛みがないことを理由に、診察を中断しないようにしましょう。歯並びへの影響だけを理由に一律に抜歯するのではなく、個別の状態に応じた判断が必要です。
親知らずを別の場所へ移す歯牙移植が選択肢になることもありますが、誰にでも適しているわけではありません。関心がある場合は抜歯前に相談してください。治療を迷っているときは、急ぐ必要があるか、待つ場合にどのような問題が考えられるかも確認できます。
抜歯後の受診や仕事の予定も含めて日程を決めましょう
抜歯の日だけでなく、その後の傷の確認や抜糸まで含めて予定を立てます。腫れや痛みには個人差があるため、試験、旅行、大会などの直前は余裕を見込んで相談してください。力仕事や接客など、仕事の内容によっても必要な配慮が変わります。複数本を一度に抜くかどうかは、通院回数と食事・清掃への影響を考えて決めます。
予約時には、親知らずの相談であること、痛みや腫れ、服薬状況を伝えてください。お薬手帳を持参し、骨粗しょう症の薬や血液を固まりにくくする薬も必ず申告します。受診に合わせて自己判断で薬を止めてはいけません。
手術前後の食事、鎮静法を使う場合の帰宅方法や付き添いの要否は、担当者の指示に従いましょう。抜歯後すぐに出張や帰省を予定している場合も伝え、症状が強くなったときに連絡・受診できる日程を確保してください。
日本歯科札幌での受診・通院について
持病がある方、継続してお薬を服用している方、ほかの医療機関で治療中の方は、歯科の相談とあわせてお知らせください。現在の健康状態や治療歴は、歯科治療を検討するうえで大切な情報です。
札幌市内外で受けた治療の続きを相談する場合は、わかる範囲で治療内容と時期を整理してお越しください。当院で対応できる内容や追加の確認が必要な事項を、診察のうえでご案内します。
持病や服用中のお薬、医科での検査結果がある方は、予約時にお知らせください。診療内容によっては、かかりつけ医への確認や専門の医療機関への紹介が必要です。
よくあるご質問
親知らずが痛くなければ、診てもらう必要はありませんか?
痛みがなくても、清掃状態や手前の歯に問題が見つかる場合があります。まず生え方を確認し、残す場合も必要な間隔で経過を見ます。
初診日に親知らずを抜けますか?
診察や画像、炎症、体調などを確認して決めます。炎症への対応や専門機関への紹介が先になることもあるため、予約時に現在の症状をお知らせください。
参考情報

日本歯科グループ代表
早川 好昭