いびきと歯ぎしりは、それぞれ原因を調べます
睡眠中に呼吸が止まると指摘された場合は、睡眠時無呼吸がないか医療機関で調べることが大切です。いびきのほか、熟睡した感じがしない、朝に頭が痛む、日中に強い眠気があるといった症状が受診のきっかけになります。肥満でない方や、眠気をあまり感じない方にも起こるため、体格や自覚症状だけでは判断できません。
歯ぎしりや食いしばりについては、歯のすり減り、被せ物の破損、顎の筋肉や関節の状態を歯科で確認します。朝に顎が疲れることだけで睡眠時無呼吸と診断することはできません。歯ぎしりや顎の症状への治療は、睡眠時無呼吸に必要な検査や治療の代わりにはなりません。歯と睡眠の両方に症状があれば、まとめて伝えてください。
家族が気づいた呼吸の様子や録音は参考になりますが、録音やウェアラブル機器だけで診断はできません。記録がなくても受診できます。強い眠気があるときは運転を避け、早めに医科へ相談してください。
睡眠時無呼吸の装置は、医科の診断後に検討します
閉塞性睡眠時無呼吸は、眠っている間に空気の通り道が狭くなる病気です。検査結果や全身状態に応じて、CPAP、口腔内装置、生活習慣への対応などを医師が検討します。歯科で作る口腔内装置は、下顎の位置を調整して気道を保ちやすくするためのものです。歯を保護する歯ぎしり用のナイトガードとは、目的も設計も異なります。
口腔内装置を希望する場合は、医科での診断や睡眠検査の結果を歯科と共有します。歯科では歯や歯ぐき、残っている歯の数、顎関節などを調べ、装置が適しているか判断します。予約時に診断の有無と相談内容を伝え、対応できる治療、紹介状などの必要書類、保険適用の条件を確認しましょう。
市販のマウスピースを自己判断で代用したり、装置を購入したことを理由にCPAPを中止したりしないでください。現在の治療で困っていることは、担当医に相談します。
装着後も調整と治療効果の確認が必要です
装置を使い始めると、歯の圧迫感、口の乾燥、唾液の量の変化、顎の違和感などが出ることがあります。痛みや噛み合わせの変化を感じたときは、使用を続けてよいか歯科へ連絡してください。自分で削ったり曲げたりせず、洗浄・保管方法や調整の時期も確認しておきましょう。
いびきが小さくなっても、無呼吸が十分に改善したとは限りません。医科で必要な診察や検査を受け、効果を確認します。症状が残る場合は、装置の調整や治療方法の見直しが必要です。体重、体調、服薬の変更も伝えてください。
被せ物などの歯科治療で歯の形が変わると、装置が合わなくなることがあります。治療の予定を装置の担当者にも伝え、調整や再作製の必要性を確認します。医科と歯科で通院先が異なる場合は、検査結果の共有方法と、装置が壊れたときの連絡先を決めておくと安心です。
相談時には、睡眠・服薬・装置の情報を伝えましょう
就寝・起床時刻、睡眠時間、日中に眠くなる場面、家族から指摘されたことを簡単にまとめておくと診察に役立ちます。夜勤や交代勤務、飲酒、鼻づまり、過去の睡眠検査についても伝えましょう。睡眠不足と睡眠時無呼吸が重なる場合もあり、症状を一つの原因だけで説明できるとは限りません。
お薬手帳と、現在使っているマウスピースや装置を持参してください。受診のために薬を自己判断で中止する必要はありません。検査、装置、調整、再作製にかかる費用と、その後の通院についても確認します。
子どものいびきや呼吸停止は、小児科や耳鼻咽喉科などに相談してください。成人とは原因や治療の考え方が異なるため、家族の装置を使わせたり、同じ治療が適していると判断したりしないことが大切です。
日本歯科札幌での受診・通院について
持病がある方、継続してお薬を服用している方、ほかの医療機関で治療中の方は、歯科の相談とあわせてお知らせください。現在の健康状態や治療歴は、歯科治療を検討するうえで大切な情報です。
札幌市内外で受けた治療の続きを相談する場合は、わかる範囲で治療内容と時期を整理してお越しください。当院で対応できる内容や追加の確認が必要な事項を、診察のうえでご案内します。
持病や服用中のお薬、医科での検査結果がある方は、予約時にお知らせください。診療内容によっては、かかりつけ医への確認や専門の医療機関への紹介が必要です。
よくあるご質問
歯ぎしり用のマウスピースで、睡眠時無呼吸も治療できますか?
目的と設計が異なるため、代用はできません。呼吸が止まる、強い眠気があるなどの場合は医科で検査を受け、診断に応じた治療を相談してください。
CPAPが使いにくいときは中止してもよいですか?
自己判断で中止せず、困っている点を担当医に伝えてください。調整や別の治療が可能か、重症度と治療効果を踏まえて判断します。
参考情報

日本歯科グループ代表
早川 好昭